リフォームはオーダーメイドであり、決まった定価がありません。だからこそ、複数の会社を比べて選ぶことが重要となります。
そんなことから、リフォーム会社紹介サイトが増えてきたのではないでしょうか?
ネット検索で『リフォーム』『リフォーム会社』と検索しても検索上位に紹介サイトの案内が表示されます。
そもそも、【無料で最大○社紹介します】などとなりますが、企業なので利益を上げる必要があります。一体どんな仕組みになっているのでしょうか?
リフォーム会社紹介サイトの仕組みについて考えてみたいと思います。
Table of Contents
リフォーム会社紹介サイトのニーズ
リフォーム会社は全国にどれぐらいあるのだろう?
タウンページに登録されているリフォーム会社は、約5万件あると聞きます。そんな中から自分で選ぶとなると、なかなか選べるものでもありません。
リフォームを考えている人のニーズを考えると、大きく2つあるのではないでしょうか?
①口コミによる評価の高い、自分の地域にある会社が知りたい。
②しつこく営業されたくない。断るのが面倒なので代行してほしい。
最初にこの中の会社から選んでください。この中の会社ならあなたのお考えのリフォームにピッタリだと思います。
気になる会社があれば、建物調査の依頼をしてください。
最終的には1社にしなければならないので、決めた会社以外はコチラでお断りの連絡を入れておきます。
こんなサービスだと便利ですよね!
間違いのない会社で、最終的に満足できるなら、少しお金がかかってもいいと思うはずです。
ほとんどどの会社が、紹介されてから契約するまでの間、無料なんです。
そんなありがたいサービスは、なにか裏があるのでは?と勘ぐってしまうかもしれません。
そもそも、リフォーム紹介会社は信用出来るの?
まず思うことは、リフォーム会社紹介サイトは信用出来るの? と思うはずです。
信用できるのであれば、とてもありがたいサービスです。
まずは、リフォーム会社紹介サイトを運営している会社を理解しなければなりません。
なぜサービスが無料で提供されるのか
要するに、サービスを提供するリフォームを考えているエンドユーザーからお金をとるのではなく、リフォームを考えているユーザーを紹介した会社からサービス料を受け取る仕組みになっています。
情報社会となる現在、リフォームを考えているユーザーを集客することからはじまるリフォーム会社としては、広告やイベントをしなくても、手っ取り早く集客出来るメリットがあります。
簡単に説明すると、リフォームに関する、魅力的な情報やサービスを無料で提供することで、エンドユーザーが集まり、その個人情報をリフォーム会社に販売し、利益を得る仕組みです。
(※仕組みはもっと複雑なので、後でもう少し詳しく説明します。)
そう考えると、利害関係は、紹介サイト運営会社とリフォーム会社になります。
利害関係にあるリフォーム会社を紹介されることになるので、信頼のおける紹介サイトを選ばなければなりません。
リフォーム会社紹介のサービスが無料でできる仕組み
エンドユーザーではなくリフォーム会社から、紹介料を受け取る仕組みになっています。
その仕組みを説明します。
リフォーム会社
リフォーム会社紹介会社
リフォームを考えているエンドユーザー
それぞれの視点から見ることで、関連性が見えてきます。
リフォーム会社のメリット
リフォーム会社を運営していく中で一番重要なことは、『リフォーム希望顧客を集めること』です。
いきなり事務所に来て、「リフォームしたいので契約します」なんて人はまずいません。
資料請求から始まり、商談し、見積もりを提示して、納得されれば契約になります。
その取っ掛かりとなる資料請求など自分の会社を見つけてもらい、問い合わせしてもらうことに、コストや時間などの労力を使います。
大手企業は、自社のHPや売上に比例した広告費の投資ができ、知名度があるので、中小企業より集客しやすいところです。
それでも、一般的に企業の広告費は総売上の5%〜10%使われると言われています。
そう考えると、一つの契約金額の中に5%〜10%の広告費経費が含まれている仕組みになります。
では同じ5%〜10%の費用を使っても、労力と時間を使わずに集客出来るならメリットがあります。
リフォーム会社紹介サイトに登録し、お金を払って、確実にリフォームを考えているユーザーを紹介してもらう仕組みは有効です。
リフォーム会社紹介サイト運営会社のメリット
絶対に儲かる仕組みのリフォーム紹介サイト運営会社。
リフォームを始めようと考えているユーザーに対し、魅力的なホームページを作って、情報を与えることで、登録者を確保する。
登録したユーザーをリフォーム会社に紹介し、紹介した会社がユーザーと契約すれば、契約金額の数パーセントを紹介料として紹介した会社に請求する。
要するに、5〜6社も紹介すれば、そのどこかで契約するので、リフォーム会社のように、契約しなければ、契約するまでの経費や時間が無駄になることはない。
必ず利益が上がる仕組みになっているのです。
登録者を集めること、増やすことがメインの業務となります。
リフォームを考えているエンドユーザーのメリット
数あるリフォーム会社があるが、どこに頼むといいのかわからない。
自分の考えているリフォームに合ったリフォーム会社を紹介してくれる。
最終的に断ることを代行してくれる。
リフォームに関する情報を与えてくれる。
相見積もりを取ることで、適正化な価格か判断しやすくなる。
以上のサービスを無料で受けることができる。
この3者の利害関係がうまく回る形となり、このビジネスモデルとなっています。
でも、いいことばかりでは有りません。
デメリットについて説明します。
リフォーム会社のデメリット
①5社、6社の競合となるため、契約率が低くなることから、普通の集客より経費がかかる。(建物調査、プレゼン作成の労力や時間)
②競合との価格競争に巻き込まれ、値引きなどにより利益が下がる。
③高額な成約時の紹介手数料。
リフォーム会社が紹介会社と提携する際に取り交わすこととして、顧客に提示する金額に、紹介手数料を引かれる分を予め含めることは禁止されています。
たてまえ上は、普通に集客する場合は、広告宣伝費を使うが、紹介会社からの紹介の場合、広告宣伝費は不要となるわけだから、紹介手数料がその広告宣伝費でまかなえるという考えです。
普通の集客よりリスクがあり、利益も減る傾向となる。
リフォーム会社紹介サイト運営会社のデメリット
リフォーム会社紹介会社にはデメリットはありません。
登録された顧客をリフォーム会社に紹介し、手数料をもらうだけ。
契約した会社と工事が始まりトラブルになっても責任を負いません。
リスクの無い商売だということです。
だからこそ、信頼のおける紹介会社で登録する必要があります。
リフォームを考えているエンドユーザーのデメリット
不用意な価格競争となり、質の低下の恐れがある。
誰でも知っているような会社を紹介され、その会社に普通に資料請求して契約するよりも、高い買い物になる可能性がある。
提案内容よりも価格優先になりがちになり、質の低い提案になりがち。
そして紹介された会社となにかトラブルがあっても、紹介会社は一切責任を負わないと利用規約に明記しているところもある。
本サービスを利用して行われるリフォーム等の取引は利用者とリフォーム業者の直接取引になります。したがって、リフォーム等の取引の内容および契約に関する過程および契約の成立、その内容等について、弊社は一切の責任を負いません。
上記は、とあるリフォーム会社紹介サイトの利用規約の一文です。
紹介しておきながら、少し無責任にも感じます。
利用する場合は、利用規約をよく読んでおくことをおすすめします。
デメリットから考えられること
リフォーム会社紹介サイトでも「リフォームはオーダーメイドであり、決まった定価が有りません。だから複数の会社を比べて選ぶことが重要となる」と謳われているように、リフォームには決まった価格が有りません。
紹介会社は、リフォーム会社にお客様の提示額に、紹介手数料分を上乗せしてはいけない取り決めをしていますが、決まった定価がないのでそもそも紹介手数料分を上乗せしているかどうか分かるはずも有りません。
では紹介会社を通すことで、知らないうちに割高な価格で契約している可能性もあります。
リフォーム紹介会社の売上を考えると、成約率の高いリフォーム会社を顧客に紹介するほうが、売上UPにつながるはずです。
そう考えると、6社紹介される中に必ず成約率の高い会社を入れて、残りは登録会社から、大手、地域の近くを入れて紹介すればいいだけです。
また「断りの連絡を代行する」サービスは、裏を返せば、今の顧客の心理状況を確認する機会となり、紹介した6社の中で成約させるために、誘導されている状況となります。
6社あれば、対応の良し悪しなども見えてくるのでその中で差別化しやすいのです。
紹介された6社の中から、手のひらの上で転がされ誘導されていくイメージです。
6社の中どこで成約されても利益が入るのですから。要は6社の中で成約させることが重要なわけです。
このカラクリを理解しなければならないのです。
紹介しておきながら、一切責任は負わない!だけど業者から紹介料を取る。
リスクのない商売をしている紹介サイトもあることを知っておく。
利用規約をよく読むことです。
重要なことは、『信頼できるリフォーム紹介サイトなのか?』ということです。
信頼できるリフォーム紹介サイト運営会社の見極めポイント
信頼できるかの判断は、
リフォーム会社の情報を調べて紹介する会社が、自社の会社の情報をきっちり示しているか!
これに尽きます。
他社の会社を評価するのに、自分の会社のことを詳しく開示しないなら、信用できません!
下記項目を明確にしているか確かめてください。※数値で表しているか
わからない場合は質問するのもいいでしょう。回答内容で信用度合いも判断できます。
紹介する会社の登録件数
紹介する会社の審査基準
利用者数
成約数
平均成約金額
資本金
売上
本社・支店の場所
社員数
リフォーム会社紹介サイトの運営にかかるコストの検討
成約金額の5%〜10%を紹介手数料として売り上げているなら、一般企業でいう売上は
売上=総成約金額✕5% (手数料5%とした場合)
となります。
ある紹介サイトを調べると
2017年累計取扱高1,500億突破
2019年累計取扱高2,000億突破
から考えてみると、1年間の取扱い高は250億と想像できます。
ではそのサイトの年間売上は、
手数料5%なら、250億✕5%=12.5億
紹介会社の基準をクリアしたリフォーム会社1000社を超えるとなると、何人の社員がフォローして信頼できる紹介ができているのだろうか?
事務所の経費、ホームページの運営経費など考えると、手数料5%では厳しいかとも推測できます。
この例は大手紹介サイトの例です。
では、情報を開示していない紹介サイトなどはどうでしょうか?
紹介する会社の登録件数、利用者数、成約数、平均成約金額を開示していないのでわかりません。
開示すると信用されないから、開示しないと推測できます。
仮に、大手の10分の1の成約金額とすると
成約金額は25億 売上は25億✕5%=1.2億(手数料5%とした場合)
このような規模では何人の人で運営しているのでしょうか?
登録リフォーム業者が集まるでしょうか?
仮に集まったとしても、紹介できる数がなくなり、登録会社は離れていくことが想像できます。
では、紹介するリフォーム会社は限られたリフォーム会社で、あたかも厳選した結果のようにいつも同じリフォーム会社を紹介しているようにも思えます。
最後に
リフォーム会社紹介サイト運営会社とリフォーム会社との取引契約で、リフォーム会社紹介サイトを利用する、しないによって工事価格をかえない約束をしています。
お客さまからこのような質問があった場合の回答は、「リフォーム会社紹介サイトには、広告宣伝費に相当する手数料を支払っており、リフォーム会社紹介サイトを利用する、しないによって工事価格が変わることはありません」といった具合になります。
では、実際、リフォームには決まった価格が有りません。その家の状況で価格も変わります。「紹介サイトを利用する、しないによって工事価格が変わることはありません」となっていても工事価格が変わったかどうかなどわかりません。
情報開示をしていないリフォーム会社紹介サイトは、自社の状況を開示せずに、他のリフォーム会社を調査・評価し、紹介することなど信用出来るはずが有りません。
そのような会社は、もっともらしい内容をホームページに記載されていますが、数字で示していないのではないでしょうか?
リフォーム会社紹介サイトを利用する場合は、信用出来る運営会社か調べることが大切です。
やはり、実際の現場など自分の目で確かめるとか、信頼できる人からの口コミの方が信用出来ると思います。
また、直接リフォーム会社にアプローチする方が、最終的にコストがあわない場合、紹介料がいらない分、相談に乗ってくれるのではないでしょうか。