リフォームするなら絶対に失敗したくない!
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もっと中立に、ユーザー目線のものがあればいいと思い、私の経験と知っていることを皆さんに情報発信しています。
リフォームについて学んでいただけるような場所を作りたくて、ブログを立ち上げました。 よろしくおねがいします。
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リフォームの見積りの現状
リフォームをする場合、複数の業者から見積りを取った方がいいとよく聞きます。
それは大正解です。
しかし、複数の業者の見積りを確認してもそれぞれの業者によって書式は違うし、項目もバラバラです。
わかることは、メーカーなどの製品の単価や、塗装工事の金額、屋根工事の金額とはっきり区別できるものだけです。
それでもその工事に、大工工事、電気工事、諸経費、仮設工事などは含まれているのか、わかりません。
また、一部含まれているなどと言われると、他社と比べようが有りません。
ひどいところでは、ほとんどが一式の表記の場合もあります。
そんな見積りから適正な価格を判断し、業者選別するのは非常に難しく、失敗するおそれがあります。
今回は、見積り判断するコツとポイントを紹介したいと思います。
リフォームの仕組みを知る
自動車や出来上がった製品(ピアノ、家電製品など)の場合は、同じものに対して評価出来ます。
また金額は製造者が定価を決めて販売します。小売業者はその商品に対して、販売手数料を乗せて販売します。
定価が決まっている場合は、いかに安く仕入れて販売するかが、利益に繋がります。
売るためには出来るだけ安くするか、付加価値のサービスを付けるかで差別化します。
では、リフォームの場合はどうでしょうか?
リフォームは、現在の状況に対して、一部取り除いたりして、無いものから出来上がりの形にすることを約束して完成形を販売する商品になります。
契約の時点では完成したものが無い状態で契約します。または約束された形を実物で確認しないまま契約します。
結論、誰も完成したものを見ていないまま契約することです。
このリフォームに関わる人は、完成したものがない状況でそれぞれ話しや打合せをします。
そこに僅かな認識の差が生じます。その差がいくつも有ったり、重なることで大きなズレになります。
そうならない為に、完成予想図やイメージパース、設計図があります。
しかしそれでもイメージに過ぎず、認識の差は生じてしまいます。
皆さんは、そんな『リフォーム』と言う商品を購入するわけです。
リフォーム業界を知る
リフォーム業界について少し説明します。
■参入しやすい業界
新築とは違いリフォームは多種業者が運営しています。
住宅リフォーム市場は参入するにあたり障害の壁が低いために、異業種からの参入など、新規参入事業者が後を絶たず、業者間における競争は厳しさを増している状況です。
理由は、建設業の許可が無くても「軽微な工事」は請負出来ることです。
軽微な工事とは
建築一式工事の場合は、請負代金が1500万未満の工事、あるいは、延床面積が150㎡未満の木造住宅工事
建築一式工事以外の場合は、請負代金が500万未満の工事
そうなると、建設業以外の異業種からも参入しやすくなるからです。
■リフォーム業界の事業者数
タウンページで検索してみると
・エリア指定 なし
・業種から探すで、
・大業種 住まい
・中業種 リフォーム
この条件で検索すると、112,163件検索されました。
・小業種 リフォーム
の場合は、111,282件検索されました。
・小業種 リノベーション
の場合は、12,511件検索されました。
驚く数の業者があります。
ではもう少し掘り下げてみます。
政府の統計窓口e-Statで調べてみます。
大臣・知事の建設業許可をうけた建設業(建設業29業種)の数は
190,730件
そのうち総合工事業では、建築工事業が32,970件、木造建築工事業
10,767件
この時点で建設業の許可を取っていない業者が半数以上有ることになります。
(※職別工事業の取得業者は含んでいません。)
また、総務省の平成28年経済センサス-活動調査では「建築リフォーム工事業」という括りがあるので掘り下げてみます。
こちらの資料は建設業許可などは関係ありません。
総務省の平成28年経済センサス-活動調査より政府の統計窓口e-Statで調査
全国 | 東京都 | 大阪府 | |
D建設業全体 | 289,025 | 28,425 | 16,307 |
06総合工事業 | 135,241 | 9,852 | 6,766 |
064建築工事業 | 33,607 | 3,100 | 2,322 |
065木造建築工事業 | 21,518 | 1,462 | 762 |
066建築リフォーム工事業 | 16,662 | 2,669 | 1200 |
077塗装工事業 | 11,524 | 1,316 | 603 |
078床・内装工事業 | 13,477 | 2,760 | 1035 |
08設備工事業 | 75,685 | 8,611 | 5127 |
タウンページの数字を考えると、リフォーム専門で運営している業者、塗装業、内装業、設備工事業が多いのではないでしょうか。
しっかりした業者を選ぶ必要があります。
■リフォーム業者の社員数
次は、企業常用雇用者規模で見てみます。
総務省の平成28年経済センサス-活動調査より政府の統計窓口 e-Statで調査
建設業全体 | 06総合工事業 | 066建築リフォーム工事業 | |
総数 | 289,025 | 135,241 | 16,662 |
0~4人 | 170,582 | 75,384 | 13,541 |
5~9人 | 62,770 | 30,512 | 1,970 |
10~19人 | 33,975 | 17,599 | 746 |
20~29人 | 9,926 | 5,331 | 169 |
30~49人 | 6,492 | 3,548 | 108 |
50~99人 | 3,299 | 1,801 | 63 |
100~299人 | 1,460 | 792 | 42 |
300~999人 | 391 | 205 | 18 |
1,000~1,999人 | 73 | 34 | 3 |
2,000~4,999人 | 41 | 25 | 2 |
5,000人以上 | 16 | 10 |
ポイント
・20人未満の業者が、建築リフォームでは 約97.5%
・5人未満の業者が、建築リフォームでは 約81%
この結果からわかるように、リフォーム業界は小さな業者がほとんどです。
これでは、業者独自のルールとなって、見積りのルールが揃うはずが有りません。
■リフォーム業者の売上高
毎年、リフォーム産業新聞者が発表しています。
2020年度リフォーム事業者の「リフォーム売上高」より
売上30億以上の事業者は 80社
売上10億以上30億未満は 118社
売上1億以上10億未満は 492社
それ以外は1億未満の業者となります。
先に述べた、5人未満の社員が多いこともうなずけます。
年間1億円未満の売上に対して利益を出して運営しなければならない。そのように考えると非常に厳しい運営であるように思えます。
なにかあった場合のメンテナンスのことも考えて経営者は運営しますが、ちゃんとメンテナンス対応するのか疑問です。
■リフォームの1件の平均単価
一般社団法人 リフォーム推進協議会の発行する平成29年度住宅リフォーム年報の資料より
平生28年度のリフォーム資金は平均で227万円です。
この数字は、大規模リフォームから小さなリフォーム工事まで含めてになります。
■リフォームの1件の平均利益(粗利率)
リフォーム産業新聞社の住宅リフォーム売上げランキング掲載742社を元に分析したデータによると
粗利率 29.4% です。
メモ
粗利率:売上総利益のことで、売上高より売上原価を差し引いたもの
売上原価:販売に至ったものを製造するために要した材料費や賃金や経費等
一人当たりの生産性 3890.9万円
一人当たりの粗利額 1114.5万円
見積りの判断は総額と工事内容で見る理由
今までのことから考えられることは、
・異業種が多く、建築業専門で事業をする業者以外の方が多い。
・リフォーム業者が多く、競合することが多くなる。
・売上10億以上の企業は数少ない。売上1億円満たない業者が多い。
・5人未満の企業が多い。
・社員数、粗利、一人当たりの生産性を考えると企業の運営状況がわかる
以上のことから、
売上が非常に厳しく運営している中で、アフターメンテナンスの対応に問題がないのか確認する必要があります。
競合が多くなると、受注出来る確率が下がり、一生懸命動いても受注出来ずに無駄な経費となることが多く、思い切って経費を使うことが出来ないことも想像できます。
特に小さな少人数の業者はそうです。
業者の社員数と売上を考えれば、どれくらいの利益で運営しなければいけないか、工事完成後のメンテナンスが行き届くのか見えてきます。
見積り提示額から、運営状況もみえてくると思います。
そう考えた場合、一つ一つの見積り項目に対して、高い安いと指摘したところで、あまり意味が有りません。
指摘して金額を安くしたいと思うでしょうが、運営サイドから考えれば、いくら利益があればいいかが重要になります。
単価を指摘しても、その工事に必要な金額は変わらないわけで、指摘することにより、訂正金額を違う項目に入れるだけです。
または、工事内容を変えて減らしてしまうわけです。
誰も完成形を見ていないのでそれが可能となります。
よって、見積り金額は、細かな項目で見比べるのではなく、工事内容とその総額で判断するべきです。
工事内容の確認方法
工事内容を確認する場合、業者の説明に対して知ったかぶりは絶対にしてはいけません。
わからないことがあれば、都度理解出来るまで確認しましょう。
では工事内容の確認について説明します。
確認の方法は、見積もり明細の項目を順番に説明されてもわかりません。
理由は、専門用語で「数量が○○㎡です。」と言われて量のボリュームもわかりません。
基本にもどり、「無いものから出来上がりの形にすることを約束して完成形を販売するリフォーム」であるのだから、ない状況からの作業手順を聞いていきましょう。
その作業手順は図面や明細で表しにくいところなのです。
ひどい業者はこの手順を省略することで金額をあわせます。
ですからこの部分を口約束ではなく、しっかりメモをして残しておきます。
その作業手順で工事内容が見えてきます。
他の業者とも違いがわかります。
例)外壁塗装の場合
一般的な場合
見積りでは、外壁塗装○○㎡ ○○円
業者からの説明は、外壁をこのメーカの塗料で塗ります。それが○○円です。
こんな感じです。
では、作業手順で確認する場合
作業手順で確認する場合
まず、外周部に足場を組みます。足場には飛散防止の為シートを張ります。
ただし、隣接する北面は隣地と空きが少ないので、シートを2重にします。
西面は隣地の駐車場となり車がある場合は車用のシートを被せます。
足場作業は、5名ほどになり前の道路を塞ぎます。組立時と解体時はガードマンをつけます。
足場が組み終わると、高圧洗浄機で外壁の汚れなどを落とします。
次に、洗い終わると外壁のクラックなどを点検します。クラックがあればシール処理を行います。
ただし、現在確認できない上部などで下地の浮きがあれば報告します。
今回上部は事前点検出来ていないので、通常のシール処理までは今回の費用に含めています。それ以上の場合は申し訳ないですが、協議の上追加費用を頂く場合があります。
下地確認が終われば、塗った塗料が剥がれないように、シーラーを塗ります。
外壁の塗装範囲はココからココまでです。それから…
こんな感じです。
同じ説明でも全く違いますよね!
たったこれだけでも確認するところがたくさんありました。
最初の説明だと、
近隣配慮どうするの?
ガードマンどうするの?
高圧洗浄するの?
クラックがあったらどうするの?
下地が悪い場合どうするの?
シーラーはするの?
まだ塗装の段階ではないのに、これだけの内容があります。
業者側からすれば、この部分は金額調整出来るわけです。
まとめ
今回はブログのタイトルが少々荒っぽいタイトルでしたが、いかがでしたでしょうか?
リフォームは信頼できる業者を選ぶことが大切です。
今回の内容をまとめます。
ポイント
・契約の時点では完成したものが無い状態で契約します。
・誰も完成したものを見ていないまま契約することになります。
・見積もりの単価や細かな項目で指摘することにより、業者は訂正金額を違う項目に入れるか、または、工事内容を変えて減らしてしまうわけです。
・誰も完成形を見ていないのでそれが可能なわけです。
・見積り金額は、細かな項目で見比べるのではなく、工事内容とその総額で判断するべきです。
・わからないことがあれば、都度理解出来るまで確認し、作業手順を聞くことです。
リフォームするなら絶対に失敗したくない! を念頭にして考え、
今後もリフォームについて発信していきます。
参考になったことなど有りましたら教えていただけると今後の励みになります。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。