リフォームするなら絶対に失敗したくない!
インターネットで調べても、企業宣伝や紹介サイトばかりです。
もっと中立に、ユーザー目線のものがあればいいと思い、私の経験と知っていることを皆さんに情報発信しています。
リフォームについて学んでいただけるような場所を作りたくて、
『リフォームを考えたら学べるブログ』を立ち上げました。
どうぞ、よろしくおねがいします。
今回は、内閣府が高齢期の健康で快適な暮らしの為の住まいの改修ガイドラインを発表しています。
その中で、高齢期にさしかかる前の可能な限り早い段階で、自らの判断で住まいの改修をすることが望ましいとされています。
この改修ガイドラインを踏まえて、リフォームについて考えてみたいと思います。
Table of Contents
暮らし方について
人生100年時代と言われだしました。それに伴い住宅も100年住宅と言われるようになり、100年持続する住宅を考えていく動きです。
もちろん建てれば100年持続するわけでなく、人間と同じように定期的にメンテナンスしなければなりません。
シニア、アクティブシニア、プレシニアなどと言われますが、内閣府が高齢期の健康で快適な暮らしの為の住まいの改修ガイドラインを発表する中で、高齢期にさしかかる前に、早期の改修がおすすめとしていることについて考えてみましょう。
プレシニアは、ちょうど人生折返し点を過ぎて、仕事も少し先が見えて落ち着いてきた頃と思います。これからの快適な暮らしの為に考えるちょうどいい時期と思います。
もちろん高齢期にさしかかった人も、遅くはありません。
シニアとは
世界保健機構では65歳以上と定めており、65歳~74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者としています。
アクティブシニアとは
年齢の定義などはなく、仕事や趣味や社会活動など、いろいろなことに意欲的に活動するシニアのこと。
プレシニアとは
シニアの手前のことで、「50歳~64歳」とも「55歳~64歳」や「40歳後半~64歳」などいろいろです。
「リフォーム」か「建て替え」か「住み替え」か?
まずは、いまの暮らしを振り返り考えましょう。
日本の住宅産業はスクラップアンドビルドで成長してきました。
30年~40年持たせて取り壊す考えがありましたが、人生100年時代になると、その歯車も狂ってきます。
- 今の住まいに住み続けるのか?
- これから先まで考えてこのままの家で大丈夫か?
マイホームを持ち、住宅ローンもそろそろ終わる時期ですが、同時にお家も老朽化で傷み始めている頃です。
このまま放置するわけにもいかなくなるときがいずれ訪れます。体の方も同じで今は問題ありませんが、これからヒートショックやバリアフリーの問題も訪れます。
- 室内でつまずく
- 足腰が弱まり階段が大変で上がるのが面倒
- 寒くて入浴の着替えが面倒
このようなことも将来想像できます。
これからの大切な判断をすることは、しっかりと判断できるプレシニアの時期にしておくべきです。
子供のこと、孫のことは特に刻々と変化します。
早ければ早いほど、将来の選択肢ができるので理想した姿にしていきやすいと思います。
そして今なら、どのような方向でも選択できる時期ですし、考える時間も出来てきたのではないでしょうか。
ただし、ご夫婦のことですので、2人で話し合う必要があります。
まずは、「リフォーム」か「建て替え」か「住み替え」の判断をしましょう。
今の住まいでの問題点
現在、健康で体にも問題がない場合よく起こりがちな勘違いは、加齢に伴う衰えに気づいていないことです。
65歳をすぎると6割以上の人が何らかの病院通いをするそうです。
これから年々と身体機能が低下していきます。そして自分の衰えを素直に受け入れられないようです。
これまでの私のブログでも紹介しましたが、多くの人が自宅に住み続けたいと考えています。
住み続けられる家に環境を整えなければなりません。
理由は、高齢者の事故の約8割が住宅内で発生しているからです。
「住宅」での事故が約 7 割を占め る。65 歳未満 71.4%と 65 歳以上 77.1%では事故発生場所の傾向にあまり差が ないが、「住宅」における事故の危害の程度は65 歳未満と比べて 65 歳以上の高 齢者の事故は重症化している傾向がみられる
《引用:独立行政法人国民生活センター 医療機関ネットワーク事業における高齢者の家庭内事故》
■リフォームするなら早めの理由
リフォームすることで、今の住宅の環境改善を図れば、健康面もそうですし安全で快適な豊かな暮らしにすることができます。
一つの考えは、どうせリフォームするのであれば、早くするほうが、その恩恵も早く・長い期間受けることができるのではないでしょうか。
早めにした場合と先送りした場合のイメージ
早めにリフォームする場合
- リフォームすることで断熱化、エコの設備機器の交換などにより光熱費などの長期的にコスト削減できます。
- 体への負担が軽減されることにより、より健康で安全となる。
- 趣味などの暮らしが豊かになることでより楽しく心地よく過ごせる。
先延ばしの場合
- 古いままの設備機器を我慢して使い、光熱費の無駄な出費が続く。※リフォーム資金は使わなくてすむが、結局することになると無駄が大きくなる
- 段差などが継続して有るため、危険のリスクが高いまま過ごす。※体は加齢とともに衰え、危険度が増します。
- リフォームは様々な判断が必要になるが、加齢とともに正しい判断ができるか疑問で、そのリスクがある。
先延ばしして、リフォームしないまま過ごせれば、リフォームにかかる資金が不要になりその部分ではメリットが有るのかもしれませんが、結局リフォームすることになれば、悔やむ思いをすることになります。
お金の問題
リフォームしたくても一番の問題はお金の問題ではないでしょうか?
また老後2000万円問題のこともあり、今ある蓄えと年金でリフォームをしても大丈夫か不安になります。
リフォームしても大丈夫か、又はいくらの投資まで問題ないのか大まかにお金のことを考えてみましょう。
簡単ではありますが、数年後の貯蓄残高を把握してみましょう。
①現在の状況(1年間に使うお金)
①=(年間の合計所得)ー(現在の貯蓄残高ー1年前の貯蓄残高)
②定年後に使うお金
②=①x0.7(※1)
③定年後の1年間の予測収入
③=(パート収入等)+(年金収入)
④その他の資産
④=(貯金、株等)+(退職金)+(相続等)
数年後の貯蓄残高の計算式
(③x●年後+④)ー②x●年後)
※1:定年後の支出は現役の7割とも言われています。この数字は補正してみてください
結果によっては心配になったかもしれません。
まずは家計の収支の見直しをして節約できるか考えてみましょう。
- 定年後の収入を増やすことを考える。
- 支出を減らす。
- お金の運用をする。
1・定年後の収入を増やすことを考える
定年後も長く働ければ楽になります。当たり前の話ですが、かなり収入が減ってもある程度たしになるのでパートやアルバイトなどでも考えてみる。
2・支出を減らす
物品の購入も買い取るのではなく、サブスクリプションなどを利用するなど考えると効果があります。
毎月の支出で目立つのは車の所有です。車の維持費を考えてみましょう。
ガソリン、保険、車検、税金、駐車場代それと車の車両代。維持費は年間100万円近くかかると思います。必要なときだけ使うリースなどの利用も考えてみるとかなり節約できます。
買い物などは、タクシーを往復2000円使っても週2回付き10回利用しても2万円、
インターネットで買い物すると家まで運んでくれます。
その他にも不要な出費がないか考えてみましょう。
タバコやコーヒーなど1日に400円つもり貯金したとすると、20年で292万円になります。
仮に車を見直して、月4万円減らせば年間約50万浮きます。20年とすれば1000万円になります。
この2つでリフォーム出来そうな金額になります。
3・お金の運用
低金利時代、お金を銀行に預けていても増えません。預金よりはマシで手堅い投資信託など利用するのもいいと思います。
■意外とかかるこれからの生活費
総務省の「家計調査報告(家計収支編)」によると、65歳以上で片方が60歳以上の無職2人暮らしの世帯の一月当りの平均支出費用は、約26万円だそうです。
意外とかかっているように思います。
子供が多いと、孫も多くなります。
孫へのお年玉や子供や孫との外食費用。
結婚式のご祝儀、入学祝いなどは大きなお金が必要になります。
旅行も年に何度かは行きたいと思います。
国内旅行だと、1回当たり1人3.6万円、海外だと22.7万円と聞きました。
この部分は蓄えておきたいところです。
■リバースモーゲージという選択
いよいよ予算がないとなると、リバースモーゲージという手段があります。
リバースモーゲージとは
自宅を担保に生活資金を借入れし、自らの持ち家に継続して住み続け、借入人が死亡したときに担保となっていた不動産を処分し、借入金を返済する仕組みです。
金融機関が取り扱うリバースモーゲージでは借入人が生存中に毎月利息分のみ支払い、元金は借入人の死亡後に相続人が自宅を売却することなどにより一括で返済します。
社会福祉協議会が取り扱うリバースモーゲージでは、借入人の死亡などの理由で契約が終了したときに、相続人が借入元金および利息の返済をすることが必要です。
金融機関によって条件は異なりますので確認が必要です。
政府もこの方法を推進しています。
高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン
住宅局安心居住推進課が平成31年3月にガイドラインを公表しています。
背景の抜粋
これから後期高齢者となる団塊世代。退職後の就業率が高いこと、インターネッ トの活用に慣れていること等、より活動的だといわれている。
その一方で、核家族化により、家族、親族の介護が受けにくい状況になっている。
高齢者のいる世帯のうち8割以上が持ち家に居住しており、その住宅のうち約半分 は一定のバリアフリーの条件を備えている。
一方で、残りの約半分はバリアフリーの配慮がなく、昭和 56(1981)年前に建築さ れた建物の場合は耐震性も現行の基準を満たしていない可能性がある。断熱性能や設備等の面において劣っているものと考えられる。
特に築年の古い既存の住宅において、高齢期の生活に適した性能の確保が必要。
高齢期の生活においては、適切な温熱環境の確保が重要で、高齢者の家庭内の死亡事故は既に交通事故による死者数を上回っている。原因として、転倒・転落等のほかに、浴槽内の溺死が増加している。入浴前後の温度の急激な変化によるヒートショックが関係している。また、室内温度が血圧など高齢者 の健康に影響を与える。
子どもの独立等に伴い、広すぎる住宅に、夫婦 または単身で暮らしており、居住人数と住宅の規模にミスマッチが生じている。
改 修は、気力、体力、 金銭的にも余裕のある、高齢期を迎える前の早い段階から検討し、行うことが望まし い。
《 引用:国土交通省 高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン
https://www.mlit.go.jp/report/press/house07_hh_000202.html 》
すごく良いことだったので、少し長い文ですが、ある程度抜粋し紹介しました。
また、以下のようにも書いています。
住宅は、安全・安心と健康・快適を保証し、身体的な負担や経済的な負担を軽減するとともに、趣味や交流、外出などの活動を行いやすいなどの条件を満たす必要がある。
《引用:国土交通省 高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン》
■ガイドラインの内容
ガイドラインが目指す4つの目標
- 長く健康に暮らせる「住まい」
- 自立して自分らしく暮らせる「住まい」
- 介護が必要になってからも暮らせる「住まい」
- 次世代に継承できる良質な「住まい」
配慮すべき8つの事項
- 温熱環境
- 外出のしやすさ
- ト イ レ・浴 室 の利用のし やすさ
- 日常生活空間の合理化
- 主要動線上のバリアフリー
- 設備の導入・更新
- 光・音・匂い・湿度など
- 余剰空間の活用
その中でも以下の4つの事項を特に重要と考えられる項目としています。
- 温熱環境
- 外出のしやすさ
- トイレ・浴 室の利用のしやすさ
- 日常生活空間の合理化
このガイドラインの内容については次回に詳しく説明したいと思います。
最後に
人生100年時代が現実に感じ取れたのですが、まだ住宅環境は追いついていないように思います。
高齢期の健康で快適な暮らしのための住まい改修ガイドラインが2019年3月に発表されました。
その中で、高齢期を迎える前の可能な限り早い段階で、高齢期の住まいや住ま い方を選択することが重要とされています。
元気な内に、まだ余裕のある内にこれからの私たちの住宅の住み方を考えて、対策しておくべきと考えます。
最後に、リフォームするなら絶対に失敗したくない! を念頭にして考え、
今後もリフォームについて発信していきます。
参考になったことなど有りましたら教えていただけると今後の励みになります。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。