リフォームするなら絶対に失敗したくない!
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今回は、内閣府が高齢者社会白書令和2年版から、高齢者の状況とリフォームについて考えてみたいと思います。
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高齢社会白書をみて
■高齢化の状況
2019年10月1日時点で、日本の人口は1億2,617万人、65歳以上の人口3,589万人
日本の人口に占める高齢者の割合(高齢化率)は、28.4%の状況です。
65歳以上の人口割合の推移は以下の表にあるように大きく変わっています。
65歳歳未満の人口の推移と、65歳以上の人口の推移で違いがでています。
日本の将来推計人口によると2053年には人口1億を割ってしまうとも予測されています。
その場合は、更に高齢者比率も増えてくるのではないでしょうか。
現役世代(15歳~64歳)との人口比率の割合からみると、
- 昭和25年(1950)では1人の65歳以上の人に対して、12.1人の現役世代。
- 平成27年(2015)では1人の65歳以上の人に対して、2.3人の現役世代。
- 令和27年(2045)では1人の65歳以上の人に対して、1.4人の現役世代。
令和27年(2045)には、高齢化+人口減少によりこのような状況になりそうです。
高齢者の比率が増えるので、住宅環境も安心な住まいの改善が必要となってきます。
■平均寿命
厚生労働省の平成 30 年簡易生命表の概況による平均寿命と国立社会保障・人口問題研究所の日本の将来推計人口にて
- 昭和25年(1950) 男性:59.57歳 女性:62.97歳
- 昭和45年(1970) 男性:69.31歳 女性:74.66歳
- 平成30年(2018) 男性:81.25歳 女性:87.32歳
- 令和47年(2065) 男性:84.95歳 女性:91.35歳
最近、人生100年時代とか100年住宅など100年とよく耳にします。この数字をみると納得できます。
平成生まれの人たちは100歳でも元気なのかもしれません。
ほんの十数年前までは、住宅業界もスクラップ・アンド・ビルドで成長してきました。
その当時は、住宅も築30年すぎれば解体して建て直していましたが、この状況では人生で2回~3回建て直さなくてはいけなかったかもしれません。
これからの住宅は、長持ちさせて、リフォームで維持していく考えなってくると思います。
今から作る新築も50年や100年スパンで考えています。
ただしそれは建てたら終わりではなく、定期的なメンテナンスを行っていってのことです。
重要になってくるのは、メンテナンスのしやすさだと思います。
■外国との状況
世界の人口は、2015年の数字で73億7,980万人と聞いています。
そして2060年には100億人を超えると予想されています。
65歳以上の割合(世界と日本)
- 2015年:8.2% → 日本:26.7%
- 2060年:17.8% → 日本:38.14%
日本は、現在世界で最も高齢化率が高い国です。
2015年度ですが、先進国の中でもダントツです。
国際社会において、日本が最も高齢化率が高いので、他の国の参考がない訳ですから、非常に難しい問題となるのかもしれません。
では、また国内に目を向けます。
■65歳以上の人のいる世帯
平成30年(2018) 65歳以上の人のいる世帯は全世帯の約半分を占めています。
- 全世帯数:5,099万1千世帯
- 65歳以上のいる世帯:2,492万7千世帯
住宅の2軒に1軒は、これからのことを考えて高齢者対応の住宅にする必要があるわけです。
日本の場合、
第1次ベビービーム昭和22年~24年(1947~1947)
第2次ベビービーム昭和46年~49年(1971~1974)
この影響があります。
■暮らしについて
60歳以上の人を対象に調査した結果
経済的な暮らし向きについての質問
「全く心配ない」と「ゆとりはないが、心配なく暮らしている」の『心配ない』と感じている人が全体の77.2%と非常に高く、驚きです。
これから60歳を迎えていく私にとっては明るく感じました。
5歳ごとのの年代層はそんなに変わらなかったが、80歳以上となると「全く心配ない」の比率が高くなつています。
仕事について
何歳ぐらいまで働きたいかの質問。
- 65歳を過ぎても働きたい:58.9%
- 内70歳まで:21.7%
- 内75歳まで:11.9%
- 内80歳・働けるうちはいつまでも:25.4%
現在収入・仕事のある人に聞くと
- 65歳を過ぎても働きたい:87%
- 内70歳まで:23.4%
- 内75歳まで:19.3%
- 内80歳・働けるうちはいつまでも:45.3%
いつまでも現役で働いていたいと思っている人が半分近くいます。
先程の暮らし向きの質問で「心配ない」と答えている理由もこのような前向きな考えがあるからでしょうか。
介護のことについて
介護をしてもらっている人からみた介護者の人との関係
- 配偶者(同居):25.2%
- 子(同居):21.8%
- 子の配偶者(同居):9.7%
- 父・母・その他親族(同居):1.9%
同居は全体の58.7% 約6割
- 別居の家族:12.2%
- 施設など事業者:13%
- 他・不明:16.2%
同居の割合が多いですが、これからの時代は核家族となり夫婦だけの世帯が増えてくることが予想されます。
どちらか1人が介護することになるかもしれません。段差、ヒートショック、手すりなど今のうちに考えておき、リフォームする場合はその対策も合わせて考えておく必要があります。
生活環境
住まいについて
65歳以上の人がいる世帯についての住宅所有の状況
持ち家が82.1%と大勢の世帯が持ち家である。
持ち家となると、その維持、メンテナンスを考えねばなりません。
その費用も計画的に予算として考える必要があります。
例えば、雨漏りも発生前だと被害も少なく済みますが、発生してからでは被害も大きくなり費用もかさみます。
また保険などの状況も考えておきましょう。
インターネットを活用しているかどうか
過去1年間にインターネットの利用をしたことがあるかの問に、各年代の回答です。
- 65歳~69歳:76.6%
- 70歳~79歳:51%
- 80歳以上:21.5%
8年前の調査から比べると、インターネットを利用している人が、約12%増加したようです。
もはやインターネットやスマホは必需品となってきています。
今更と思うのですが、活用するのとしないのではこれからの生活で便利さが大きく変わります。今のうちに覚えるようにしておくことを勧めます。
生活家電とスマホの関係などI0Tの時代になります。
IoT アイオーティーとは)
"Internet of Things”の略で「モノのインターネット」と訳されます。モノがインターネット経由で通信することを意味します。
家電や車などが直接インターネットとつながり更に便利になっていきます。
インターネットを利用した事がある人に、使用頻度を聞くと
毎日少なくとも1回は利用している人が、57%
この数字は多いのか少ないのか微妙ですが、若い世代では考えられない状況です。
■経済生活に関すること
60歳以上の人を対象に調査した結果
日常生活の支出で預貯金を取り崩して賄うことがあるかの質問に対して。
半数の人が「ほとんどない・全くない」でした。
この数字も驚きですが、皆さんいざというときに残して節約しているようにも思いますが、暮らしぶりのアンケートや以下のアンケートから前向きな方が多数なのでそうでもないのでしょうか。
そうであれば、これからの生活するための住居に少し投資してもいいように思います。
現在、どの程度生きがい、喜びや楽しみを感じているかの質問に対して。
「十分感じている」と「多少感じている」を合わせて、生きがいを感じている人は全体の8割近くになる。
60歳以上のアンケートになるので、今までの人生も踏まえてのこともあるのかもしれませんが、8割の人が、多少とも生きがいを感じている結果に嬉しくもあり、きぼうを込めて重たく受け止めれます。
このような社会に感謝したいと思います。
高齢社会白書からのまとめ
これから高齢者として生活環境の目指すもの
- 豊かで安定して暮らすことができる住生活の実現
- 高齢者が自立して暮らすことができる住生活
- 建替えやリフォームで安全で質の高い住宅づくり
- 急増する空き家の活用
と大きく考えられます。
国の施策として進めている内容の抜粋として紹介します。
- 住宅のバリアフリー化やヒートショック対策の推進
- 高齢者の身体能力や認知機能等に配慮した設備や部屋づくり
- 公的保証による民間金融機関のリバースモーゲージの普及
- などが考えられているようです。
最後に
今回は、令和2年版 高齢社会白書 から気になる部分を抜き出して考えてみました。
人生100年時代が現実に感じ取れたのですが、まだ住宅環境は追いついていないように思います。
高齢期の健康で快適な暮らしのための住まい改修ガイドラインが2019年3月に発表され、高齢期を迎える前の可能な限り早い段階で、高齢期の住まいや住ま い方を選択することが重要とされています。
元気な内に、まだ余裕のある内にこれからの私たちの住宅の住み方を考えて、対策しておくべきと考えます。
最後に、リフォームするなら絶対に失敗したくない! を念頭にして考え、
今後もリフォームについて発信していきます。
参考になったことなど有りましたら教えていただけると今後の励みになります。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。