リフォームするなら絶対に失敗したくない!
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もっと中立に、ユーザー目線のものがあればいいと思い、私の経験と知っていることを皆さんに情報発信しています。
リフォームについて学んでいただけるような場所を作りたくて、
『リフォームを考えたら学べるブログ』を立ち上げました。
どうぞ、よろしくおねがいします。
今回は、【減築リフォーム】住宅のコンパクト化で、快適・経済的な生活!につて紹介したいと思います。
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なぜ減築の発想が生まれる?
私が子供の頃は、長男が大人になったら親の家に一緒に住むと教えられてきました。
私は次男だったので、兄がいました。
30年近く前になるのですが、私の就職が決まった時、兄より突然『結婚するからこの家出ていけ』と言われたのです。
勤務先はたまたま家から通える距離だったのですが、アパートを借りて一人暮らしすることになりました。
そして家は2世帯にするためにリフォームしました。
その当時でも、新婚からすぐの同居は少なかったように思います。大体は結婚してしばらくして子供が生まれてしばらくしてからが多かったと思います。
現在はどうかというと、兄も仕事で転勤することになり、単身赴任を選択せず、家族で引っ越ししていきました。その後も何度か転勤で引っ越ししていました。
現在は両親2人で生活しています。たまたま姉が近所に住んでいるので安心です。
これは、私のところでの話ですが、現在は同居や2世帯の状況も変わってきているようです。
■研究所による人口・世帯の推移
2008年をピークに人口減少
国立社会保障・人口問題研究所の『日本の将来推計人口(平成 29 年推計)』によると、(出生中位推計の結果に基づいた場合)
2015年の国勢調査によれば 1 億2,709 万人から以後長期の人口減少 過程に入る。2040年の 1 億 1,092 万人を経て、2053年には 9,924 万人、2065年には 8,808 万人になるものと推計されている。
40年後には人口が3割減となるかもしれない。
世帯数と世帯平均人員
国立社会保障・人口問題研究所の『日本の世帯数の将来推計(全国推計)2018(平成 30)年推計』によると、
- 2015年→5,333万世帯
- 2023年→5,419万世帯
- 2040年→5,076万世帯
世帯平均人員
- 1960年→4.14人
- 2015年→2.33人
- 2040年→2.08人
完全に核家族化してしまっています。
世帯に4人の生活から2人ともなれば2つは不要な部屋があるわけです。
2人で広い家に住むのもメンテンナスや日常の掃除と大変なことが多いと思います。
■減築によるアンケートから
国土交通省 国土交通政策研究所の『減築による地域性を継承した住宅・住環境の整備に関する研究』の報告によると、
戸建て持家世帯を対象とし、アンケート調査を実施したところ、減築の関心層は約 42%であった。
子供の独立を控えた世帯主年齢 50代の世帯を中心に一定の減築に対する潜在的なニーズ があることがわかった。
- 減築実施により住宅の日常管理の容易化、耐震性の向上など複数の効果を期待している。
- その効果が実際に発現するか不安を抱いている。
- 住宅も規模別では延べ面積150㎡以上の世帯主が最も興味を持っている。
以上のことがわかった。
■以上の背景より考えられること
世帯が小規模化していき、子供が独立して夫婦のみで住むシニア世代や高齢者などの単独世帯や夫婦のみの世帯が多くなっている。
また、少子高齢化が進む中、高齢者の住み慣れた家での定住志向の高さ考えると、今まで通りの生活様式を大きく変えずに住環境を改善することがいい
そうなると世帯人員の減少に合わせたコンパクトな住まい方にあわせた「減築」が有効であると考えられる。
しかし、現実は減築に興味はあるが、減築することによっての効果が心配で減築に踏み込めない状況と思います。
減築リフォームとは
減築リフォームってどんなことをいうのだろうか?
そもそも減築とは?
減築とは
広義には、建築面積の一部や階数を減らすなど建築物の床面積を減らして 住宅のコンパクト化を図ること
リフォームで考えると、子育てが終わり子どもたちが独立し空き部屋ができる。
その空き部屋は使わないので子供の荷物が置き放しの状態。使わないのに掃除や、メンテナンスをしなければならない。そんなことならいっそのこと、その部分を取り壊して失くしてしまう考え。
そして失くすことにより、いろいろな効果(メリット)が生まれること。
■減築リフォームの種類
国土交通省 国土交通政策研究所の『減築による地域性を継承した住宅・住環境の整備に関する研究』より、減築には6つのパターンがあります。
- 平屋の一部撤去
- 2階建ての1階・2階の一部の同時撤去
- 2階建ての2階の一部撤去
- 2階建ての2階の全部撤去
- 2階建ての1階の一部撤去
- 2階建ての2階床の一部撤去
※減築して同じ形に戻した場合は、減築・増築という。
この場合は行政の確認が特に必要となるので注意してください。
減築リフォームでの効果
大きくは4つの効果が見込まれます。
- 居住快適性
- 経済性
- 環境性
- 耐震性
どの様な効果があるか参考にしてください。
■居住快適性
日常管理の簡易化
- 部屋数が減ることで、移動距離が軽減出来る。
- 掃除等の身体的負担の軽減、掃除の時間低減。
バリアフリー化
- 家の中の移動が楽になる。
- 2階を全撤去して平屋にすれば、段差がなくなる家庭内の事故を防ぎ安全性が高まる。
- 建物を一部減らして道路から玄関までのアプローチを見直し段差を緩やかにする又はスロープを作る。
- 2階の1部屋の床を抜いて、階段を緩やかにする又はエレベーターを取り付ける。
空地の確保
- 住まいをコンパクトにしてオープンスペースの活用
- 敷地に余裕ができ新たな活用法が生まれる
家庭菜園や花壇・植木など。
駐車スペースの確保。
雨に濡れずに車からの荷物出し入れ。
介護車両の停車スペースが確保できる。
■経済性
メンテナンスコストの削減
- 維持管理の負担の軽減。
- メンテナンス費を軽減できる。
- 補修費の低減。
- 2階をなくせば2階トイレもなくなりコスト削減。
光熱水道費の削減
- 冷暖房の効率がよくなる家作りが出来る。
- 光熱費などの削減による家計効率の向上。
■環境性
採光・換気の良好化
- 風の通り道が出来る。
- 光が差し込むようになる。
- 単純な形になり気密性が良くなる。
- 2階の床を撤去して開放的な吹き抜け空間ができる。
■耐震性
耐震性の向上
- 減築による建物の荷重低減により耐震性の向上が見込まれる。
- 特に1階に十分な部屋があるのであれば、思い切って平屋にするとたくさんの効果が発揮します。
- 階段がなくなり、昇り降りの必要がなくなる。階段の事故による危険性もなくなります。
- 2階の荷重がまるまるなくなるので建物の軽量化がはかれ耐震性が増します。
- トップライトを設けると明るさも確保出来ます。
減築リフォームで注意すること
減築リフォームをする場合に注意してほしいことがあります。
「減築」するだけであれば確認申請は大半は不要ですが、取り壊して一部同じ位置に作り直すと「増築」と判断されます、その規定が適用され、確認申請が必要になる場合があります。
減築リフォームの場合は、減築だけで終わらせられない場合がたくさんあります。
減築と合わせて間取りの変更などの工事が発生します。
現在の建物が建築確認をしているのか、また検査済証の交付を受けているのか、現在の建物の構造、防火地域なのか。
などたくさんの条件によって規制があります。
建築の専門知識のないユーザーにとって、確認、判断することは難しいしことです。
信頼のおける業者で確認しておく必要があります。
■減築をして構造上の体力が低下しないように
減築をするイコール壁を取ることになります。
耐震の考えは壁の量と配置された位置です。壁の量を満たしてもバランスが悪くなれば良くないです。
必ず耐力の検討を行い、不足しているなら補強を行ってください。
■防水上のトラブル
減築した場合は、今まで内部の壁であったところが、直接雨を受ける外壁になります。
しっかり防水対策の施工をしなければなりません。
特に既存部分の屋根や壁と新たな壁や屋根との取り合い部分は雨漏りの起こりやすいところです。
私がおすすめする減築後の生活確認方法
大規模リフォームなどする場合は工事中に一旦仮住まいします。
その中で、仮住まい生活がとてもコンパクトで生活しやすい。逆にこのままでも良かった。などと話される方もいます。
減築して家をコンパクトにすることにとても抵抗感があると思います。
本当に減築していいのか不安になると思います。
ですから、コンパクトになった状況を仮に住んで体感して見るといいと思います。
時間に余裕があるのであれば、旅行がてら違う土地でウィークリーマンションを借りてみるのがおすすめです。
ただし、旅行ではなくて住んで見るといいです。
買い物して料理を作る、今までと同じ様に過ごしてみるのです。
ウィークリーマンションなら1週間、2週間などと期間を指定して住むことが出来ます。荷物移動が大変なら、家電から布団までレンタルできます。
減築リフォームに大きな投資をして、あとで後悔のないように体験してみてはどうでしょうか。投資金額に対しての保険と考えることと旅行に行ったと思えば値段的にも問題ないと思います。
平屋にしようと思うなら一度マンションに住んで階段のない生活を体験しておくべきです。
まとめ
今現在のお住いでの暮らし方を見て、必要のない部分がないか考えてみましょう。
無理にコンパクトにする必要はありませんが、国も住宅のコンパクト化には着目し推進しようとています。
核家族が増えた現在社会です。1年に2回ほど子供家族が帰って来ることの為に空き部屋を残しているのだと思います。
その孫も高校生になれば泊まることもなくなり空き部屋となります。そして物置部屋と化してしまいます。
そうであれば、もっと自分達のために有効にしたほうがいいように思います。
日々の掃除など家事の負担が軽くなることもあるし、コンパクトな生活も使いやすくて便利です。
検討してみてはどうでしょうか。
リフォームするなら絶対に失敗したくない! を念頭にして考え、
今後もリフォームについて発信していきます。
参考になったことなど有りましたら教えていただけると今後の励みになります。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。