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リフォーム

【断熱リフォーム】家が、寒い・暑い その対策③

kokochi
こんにちは、日々の生活をもっと大切にして、ここち良い暮らしを日々目指している「kokochi」です。 ここち良い暮らしに欠かせない『住居』そのリフォームについて取り上げています。

リフォームするなら絶対に失敗したくない!

インターネットで調べても、企業宣伝や紹介サイトばかりです。

もっと中立に、ユーザー目線のものがあればいいと思い、私の経験と知っていることを皆さんに情報発信しています。

リフォームについて学んでいただけるような場所を作りたくて、

『リフォームを考えたら学べるブログ』を立ち上げました。

どうぞ、よろしくおねがいします。

今回は前回の続きでpart3になります。

冬:家が寒い、夏:家が暑い、あたりまえの話ですが、皆さんそれで困っていると思います。

現在の新築住宅は、かなり断熱性能に優れ20年前とは格段に向上しています。

リフォームするついでに少しプラスするだけで、生活環境面、省エネ効果など向上するので紹介したいと思います。

断熱リフォームの施工方法

断熱が不十分な家の冬場は、室内の熱が窓、ドア、給気口などの開口部や、天井・壁・床などを伝わり徐々に外に逃げてしまいます。

また、熱を逃すだけでなく外から入る冷気もブロックできないので、ずっと暖房し続けなければ、室内は暖かくならないと思います。

夏場も冬場の逆で同じようなことがいえます。

では、どの様に防ぐためのリフォームをすればよいか、施工方法を紹介したいと思います。

断熱リフォームの施工方法

  • 屋根断熱
  • 屋根遮熱
  • 天井断熱
  • 壁断熱
  • 窓断熱・遮蔽
  • 床断熱
  • 浴室の断熱

※前回の続きになるので、今回は赤文字部分の説明になります

■窓断熱・遮蔽

窓からの熱の出入りが一番激しいです。この窓まわりを攻略するとかなり快適に暮らせます。

明るくて開放的な家で暮らしたい。でも寒い・暑いはイヤ!

皆さんの思うところですが、なかなか矛盾しているところです。

断熱リフォームの1回目の説明で熱伝導率の話をしました。

窓を構成している素材は、アルミとガラスが全体を占めています。熱伝導率を見ると以下のようにかなり高い素材どうしになります。

物質の熱伝導率

  • 銀 420
  • アルミ 236
  • 鋼材 53
  • コンクリート 1.6
  • ガラス 1
  • 水10℃ 0.582
  • プラスチック 0.2~0.3
  • 天然木(松等)0.15
  • 住宅用グラスウール 約0.04
  • 空気0℃ 0.0241

ここで注目したいのは空気の熱伝導率です。

目に見えないものなので気が付かないですが空気だけならすごい断熱性能ですね。

例えば、冬の窓のアルミ枠、直接手で触れるととても冷たいですよね、でも1センチ放してみると冷たさは感じない!これが熱伝導の性質によるものです。

この窓まわりをうまく攻略すると全体の断熱性能が上がります。

冬は、約 50%の熱が「窓」から逃げています!

夏は、約 70%の熱が「窓」から侵入しています!

引用:社団法人 日本建材産業協会 省エネルギー建材普及促進センターの資料より

窓まわりの断熱は、先ほど説明した『空気』を利用した断熱の考えです。

窓まわりのことを説明するのに知ってもらいたいところ

少し専門的になります。

断熱の性能を測る為に数値で表す必要があり、Q値やU値やⅣ地域などとよくわからない表現をされます。

まずはそれがどういうものなのか大まかにわかっているとイメージしやすいです。

以下の3つの言葉が窓のリフォームを考える上でよく出てきます。

ポイント

  1. 熱損失係数(Q値)(W/m2K)
  2. 熱貫流率(U値)(W/m2・K)
  3. 平成 11年省エネルギー基準
1・熱損失係数(Q値)(W/m2K)

建物からの熱の逃げにくさをあらわします。

Q値(W/m2K)が小さいほど、熱が逃げにくいので省エネ性能が高いといえます。

熱損失係数(Q値)=建物から逃げる熱量(W/K) /  延床面積(m2)

  • 建物から逃げる熱量(W/K):部位ごとに逃げる熱量の合計
  • 延床面積(m2):吹抜け部分の面積も延床面積に含めます

建物から逃げる熱量(W/K)とは

  1. 屋根・天井
  2. 換気
  3. 外壁・階間・土台
  4. 床・土間床等の外周・土間床等の中央部
  5. 開口

1から5の長さや面積を熱貫流率で乗じ、各係数で乗じた数値の総合計

2・熱貫流率(U値)(W/m2・K)

熱貫流率(U値)(W/m2・K) = 1 / 熱抵抗値(m2・K)

熱抵抗値(m2・K) =厚さ /  熱伝導率(W/mK)

室内側と室外側の温度差を1℃とした時、窓ガラス1㎡あたりにたいして、1時間の間にどれだけ熱が通過するかといった熱量のことをいいます。

ここで覚えて頂きたいのは、この熱貫流率の値が、低ければ低いほど、熱の移動を少なく抑えられるということです。

つまりペアガラスなどの断熱ガラスは、熱貫流率の値が比較的低くなります。

3・平成 11年省エネルギー基準

地球温暖化防止の一環として、住宅におけるエネルギー消費にと もなうCO2(温室効果ガス)の排出削減を目的として定められた基準 です。

断熱性・気密性・防露性・日射遮蔽性・換気など、住宅の省エ ネルギー性能に関わる基準が定められ、平成 11 年に国土交通省(旧建設省)および経済産業省(旧通産省)から「住宅に係るエネルギー の使用の合理化に関する基準」として告示されました。

現在は、平成28年基準があり、2030年には新築住宅の平均でゼロ・エネルギー住宅とすることが国の目標として掲げられています。

窓まわりの断熱方法には大きく3つあります。

工事が簡単な順番です。

  • ガラス交換
  • 内窓の追加取り付け
  • 窓の交換

ガラス交換

外壁工事などの大がかりな工事を必要とせず、いまある窓フレームを活かして、ガラスの部分だけを取替える簡単リフォームです。

ガラスとガラスの間に空気を挟むことによって、1枚のガラスよりも優れた断熱性能となります。

アタッチメントを使い、単板ガラスから複層ガラスにします。

複層ガラスとは

一般的には、2枚のガラスの間に乾燥空気を閉じ込めた複層ガラスのことです。

中の乾燥空気をアルゴンガスにしたり、防犯上に配慮したガラスや、空気層にブラインドを入れたものなどバリエーションがあります。

単に複層ガラス(ペアガラス)との説明だけで購入するのではなく、細かく確認するといいと思います。

このリフォームの場合は、ガラスの性能は上がるのですが、アルミのフレームなどは現状のままとなるので、その部分の断熱性は向上しません。

室内の暖かさを外に逃がしにくくするリフォームと考えるべきです。

サッシメーカーの商品によっては、ガラスだけでなく窓障子ごと交換できる場合もあります。

メリットは、工事時間が早い、現場でガラスの取替えをしなくていい、アタッチメントなどの駒やカギの部分も新しくなる。

内窓の追加取り付け

既存の窓の内側に樹脂製枠の窓を新たに取り付ける方法。

既存の窓との間の空気層が断熱効果や防音効果を生みだします。さらに、フレームはアルミの約1/1000の熱伝導率の樹脂でできているため、高い断熱効果と防露効果を発揮します。

採寸して制作してからの取り付けなので、施工時間も数時間で出来ます。

マンションの場合、窓は共有部分となるため取替などは大変ですが、内窓の場合であれば問題ないのでおすすめです。

こちらもガラスが単板や複層が選べるので確認してください。

窓の交換

窓交換には2つの方法があります。

  • 壁を壊して新築と同じ様に窓を取り付ける
  • 古い窓の上から新しい窓を取り付ける
壁を壊して新築と同じ様に窓を取り付ける

メリット

  • 最新機能の窓が取り付けられる
  • 窓位置等も変更できる
  • ついでに壁周りも断熱工事ができる

最新の高性能サッシは、普通の壁と同程度の断熱性能がある窓もあります。(熱貫流率0.55)※従来品1.48

窓フレームはフレーム内に中空層を増やし、さらにホロー内に断熱材を入れることで、その性能を飛躍的に向上している。

古い窓の上から新しい窓を取り付ける
  • 通常カバー工法ともいい、既設窓枠を取りはずさずに、新しいアルミ製の窓を取り付ける工法
  • GRAF工法は既設アルミ窓枠を有効利用し、すっきりとした納まりを実現します。既設枠の下枠レールをカットして、新設枠を接合する画期的な窓改修工法。

デメリット

  • 従来の窓サイズより少し小さくなる。
  • 窓の位置は従来と同じ位置

窓取替は、サッシメーカーにより特徴があります。

遮蔽

断熱リフォームとは少し外れますが、窓からの日射を押さえる遮蔽を考えるのも夏場に効果があります。

特に夏場の西日はかなり熱くなります。

建築の考え方で、水平面での遮蔽と垂直面の遮蔽を考える、といわれます。

日本建築にある小庇や軒は、水平の遮蔽になります。

南面など太陽が高いところから日差しが入り込む場合に有効

夏の西面の3時~夕暮れまでは太陽が横方向から入り込んできますこの場合は水平の遮蔽では遮れないので対応が必要です。

例をあげると、シャッターがブラインドになつた物や複層ガラスの中にブラインドが入ったものなどあります。

リフォームの予算も限られている中すべてを満たすことが難しい場合は、西面の窓だけ特殊にするなどの考え方もあります。

日差しのキツイ西面にある窓だけ、複層ガラスの空気層の厚みを熱くするとか、乾燥空気をアルゴンガスにする、ROW-Eにするなど場所により検討しても効果があります。

■床断熱

床下の冷気を押さえ、足元の冷えを押さえるリフォーム。

今まで、屋根、天井、壁、窓と断熱の説明をしてきましたが、この床部分をするとすべての断熱が完了します。

イメージとしては室内が魔法ビンの様に、省エネで温度変化が低減される形になります。

最近の住宅は床がフローリングです。フローリングのいいところは清潔感があり、お掃除が楽であることです。夏場はヒンヤリして気持ちいい。

しかし冬場は冷たくて足先が痛くなるほどです。

それぐらい床が冷えているということは、せっかく温まった空気も床からどんどん失われてしまうということです。

よく床暖房を付けると快適になると聞きます。実際その通りですが、床断熱がないまま施工するのは、非常に効率が悪いです。

床暖房で温まった熱が、断熱がないためどんどん逃げて行くことになり、いつまでも強運転となり、光熱費が非常に高くなることになります。

床暖房をする場合は、床の断熱はセットで考えましょう。

リフォームでの床の断熱方法

  • 床下にもぐり、床下から断熱材を床根太間に取り付けていく方法
  • 現在の床材の張替えに合わせて床をめくって取り付ける方法

床下にもぐっての施工はおすすめ出来ません。

人が這いつくばって移動するのがやっとのところで床全体に断熱材を取り付けるのは、施工精度に疑問があります。

また住人がその施工の確認も難しい為ちゃんと出来ているか心配です。

やる場合は、信頼の置ける施工業者で施工しましょう。

断熱材の材料は、押出法ポリスチレン保温版がいいと思います。

床下は湿気があるので、湿気にも強い断熱材の選択が必要です。

床を張り替える工事をするなら、断熱材の工事までしておくといいと思います。

■浴室の断熱

浴室のリフォームをする場合は、建物の躯体部分が確認できるので、合わせて断熱工事をしておくといいでしょう。

浴室や洗面脱衣室は服を脱いで裸になるところです。一番ヒートショックの危険がある部分でもあります。

しっかりと断熱対策をしておくべきと考えます。

ご高齢のお住いになる住宅であれば、浴室の断熱工事の優先順位は上げておくべきではないでしょうか。

浴槽の工事をする場合の注意やおすすめを紹介します。

ユニットバス

浴室はシステムで出来ているユニットバスにしましょう。

旅館などの内湯にあるタイル張りの浴室に憧れますが、機能優先で考えてみてはいかがですか、ユニットバスを製造しているメーカーはいろいろと研究されていて非常に機能的です。

タイルなどは見た目は感じいいですが、冬場は冷たいです。素足でタイルを踏むだけでもヒートショックに繋がりかねません。

ユニットバスなら、物によって冷たさを感じない床材や、転倒しても床が柔らかい素材で安全にも配慮したものなどたくさんの機能があります。

浴室内の保温を考え、壁パネルなどのパネルが断熱パネル、浴槽は保温浴槽となっています。

窓の交換

浴室に窓がある場合は、窓も新しく交換をおすすめします。

浴室は湿気も多く、温度差の一番ある部分です。窓が一番熱の逃げるところです。

ユニットバスを設置してから窓のやり変えは、ユニットバスを取り外さない限り出来ません。十分に検討して窓を交換するかしないか決めたほうがいいです。

基礎断熱

浴槽は塚の高さより低くなり、基礎の部分にあたります。ですから基礎部分にも断熱材を取り付けることで効果があります。

まとめ

断熱リフォームのことについて3回にわけて説明してきました。

リフォームで「便利になる」も素晴らしいことですが、その根底には、「健康的」であり、「快適」で有ることと思います。

断熱リフォームは表面上で目に見えるものでは無いですが、「健康的」で「快適」な為に欠かせないものでもあります。

住宅に住み続ける以上、いつかメンテナンスもしくはリフォームが必要になります。

その工事のついでに、あと少しの投資で済む場合もあるので、じっくり断熱のことも考えてはどうでしょうか。

リフォームするなら絶対に失敗したくない! を念頭にして考え、

今後もリフォームについて発信していきます。

参考になったことなど有りましたら教えていただけると今後の励みになります。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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