リフォームを考えたら、どの様に進めていくのかを全11話にまとめました。
全11話の紹介はコチラにまとめました。
リフォームの流れ
- 認知
- 検討開始
- 実施決意
- 情報収集開始
- 条件整理
- 資料請求
- 会社・相談会訪問
- 営業担当接触
- 現場見学会訪問
- 建物調査
- プラン・見積り提示
- 契約
リフォームを考えてから、契約するまでの流れはこの様な流れになってきます。
要望が実現する良い提案を受けるためには、建物調査で十分な確認をしてもらうことが必要です。
リフォームの計画箇所だけでなく、その取り合い部分も確認することになると思います。
既存部分をどこまで活かすのか、現場判断が必要になります。
プロの目から見た改善が必要な部分も建物診断できっちり確認してもらうといいです。
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建物調査の心構え
これから3社に建物調査をしてもらうのですが、面倒だからとブッキングはしてはいけません。
商売ではありますが、自分の家をきっちり見てもらう為のマナーでもあり、相手のかたに失礼になります。
大変ですがスケジュール調整しましょう。
建物調査というと数名の人が建物内をくまなく採寸したり写真を撮ったりします。
また押し入れの中や、キッチン、洗面化粧台の扉を開けて排水管などを調べます。
戸建住宅の場合は、床下収納から床下に潜ります。床下収納がない場合は、和室の畳をめくって床板を外して床下に潜ります。
そのあたりの準備と覚悟が必要です。
リフォーム工事の場合、工事が始まってから「開けてびっくり」不測の事態がよくあります。予期せぬ出費が出来る限り防げるように、しっかり調査する必要があります。
調査時間は建物の種類や規模で異なります。
およそ半日で終わります。約2時間で終わる場合もありますし、2日かかる場合もあります。
以上の準備が整う期日を考えて、日程調整するといいでしょう。
準備するもの
準備するもの
・土地・建物登記簿 :構造、築年数、面積、所有者などがわかればよい
・建築確認 ※戸建ての場合
・図面
・修繕の履歴
・当時の契約書
・管理規約 ※マンションの場合
※無くても問題有りません。あればより正確になります。
資格者
資格者
・耐震診断資格者 ※国土交通大臣登録
・ホームインスペクター(住宅診断士)※JSHI公認 建築士の資格条件なし
・既存住宅状況調査技術者(建築士でなければならない)
・建築士(1級・2級)など
建物調査をする人がどのような資格をもっているのかも確認しておきましょう。
建物調査に含まれる建物診断とは
欠陥や劣化の原因究明と危険度を把握して既存部をできるだけ痛めずに段階的に調査を行う。
1次診断:建物概要による調査と、建築技術者による目視・体感・問診にてそれぞれ劣化調査を行う。
2次診断:木造の軸組やコンクリート基礎の非破壊検査を行う。
3次診断:引張り、圧縮などの破壊検査を行う
※建物調査では通常1次診断となります。
建物調査の流れ
聞き取り調査→図面との整合、図面がない場合は実測→分析、図面復旧、図面の書き起こし
調査目的
調査目的
■既存部分をどこまで利用するのか、劣化状況の判断、その劣化の原因究明。
■現在のライフスタイルの確認と問題点の把握。
■現在の間取り寸法の確認をし図面化すること。
■現在の室内環境の確認と電気、ガス、給排水設備の確認。
■利用する家具や家電の寸法や電気容量の確認。
どのように調査するのか
劣化状況については、建築技術者による目視・体感・問診。いわゆる建物診断の1次診断です。(有料の場合もあります)
調査方法
【屋外部分】
・基礎 ・外壁 ・屋根 ・軒裏 ・雨樋 ・バルコニー ・外構 ・玄関ポーチ ・その他
【床下】
・基礎 ・土台・床組み ・その他
【屋根裏】
【玄関】
・玄関扉 ・下足入れ ・玄関収納 ・その他
【室内階段・廊下】
・階段 ・床 ・巾木 ・壁 ・天井
【リビング・ダイニング・台所・洗面室・トイレ・居室・廊下】
・床 ・巾木 ・壁 ・天井 ・扉 ・サッシ ・収納 ・その他
【台所】
・収納 ・吊戸棚 ・シンク・流し台等
【洗面室】
・収納 ・シンク・洗面台等 ・その他
【浴室】
・床 ・壁 ・天井 ・扉 ・サッシ ・天井点検口 ・その他
【和室】
・畳 ・壁 ・天井 ・障子 ・サッシ ・襖まわり ・押入れ ・その他
【設備】
・給排水設備 ・電気設備 ・ガス設備 ・その他
各ブースに分けて、各部分の劣化具合を判定していきます。
ついでに寸法などを測り図面化出来るようにしていきます。
耐震診断
建築士、耐震診断資格者で調査し、耐震診断資格者が判定します。
専用の構造ソフトに測定したデータを入力し計算を行う
(基本有料ですが、無料の場合もあります)
どの様な道具を使うのか
基本家が汚れる様な道具は使いません。
道具
・スケール(メジャー)、レーザー距離計、クラックスケール
・水平器、レーザー水準器、ミラー、ハンドライト
・鉄筋探査機、サーモ測定器、含水率系、カメラ
マンションの場合
マンションの耐震基準は、1950年11月23日施行の旧耐震基準と1981年6月1日施行の新耐震基準の2つになります。マンション購入してリフォームをお考えの場合は注意が必要です。
築年数が古い場合は床に直接仕上材を敷く直床や上階の床裏に直接仕上げ材を貼る「直天井」が多く、音や振動面に影響があります。
給排水管が直接床のコンクリートに埋め込まれている場合も多く、その場合は水回りの大きな移動やメンテナンスに問題があります。
マンションの構造はRC(鉄筋コンクリート)造が多く、ラーメン構造と壁式構造にわかれます。
ラーメン構造の場合は間仕切り壁などの撤去が容易で間取り変更しやすいが、壁式構造の場合は構造壁によりプランに制約があります。
共用部分を触る場合は、マンションの管理規約をよく確認した上で了承が必要になります。
リフォーム工事をする際、管理組合の手続きなどがあります。手続きに時間がかかることも有るので、スケジュール確認しておきましょう。
共用部については、第1話 情報収集の前にすること①自分の家を知る より説明しているので参考にしてください。
専有部のリフォームだから勝手にしてもいいわけでは有りません。
マンションの管理規約を確認しておきましょう。
また専有部の工事でも取り合いで共有部の工事が絡む場合もあるので、いずれにせよ管理組合には事前相談しておくといいです。
床の仕上材などは振動等や音の問題があるので、性能基準など管理規約で規定されている場合もあります。
作業時間やエレベーターの使用、搬入などの制限があり、コストも変わってきます。最初に情報提供しておきましょう。
戸建住宅の場合
木造の耐震基準は3つにわかれます
・旧耐震基準:1981年5月31日以前に建築確認申請が行われた建物
・新耐震基準:1981年6月1日以降に建築確認申請が行われた建物
・2000年基準:2000年6月1日以降に建築確認申請が行われた建物
詳細は改めて紹介するとします。過去の大地震を踏まえ、法改正がされ基準が変わっているのです。
旧耐震基準の場合は、耐震性能、防湿性能、断熱性能をアップさせる検討が必要。
新耐震基準は、構造的対応は従前より確保されているが、防湿対策については検討が必要。
2000年基準は、基本的な性能は確保されているので、環境・インテリア面の改善に専念出来る。
調建物査が始まったら
これから夢の実現をしてくれる業者を選別しなければならないので、建物調査に取り組む姿勢を確認しておくとよくわかります。
確認のポイント
■何人でしているか
■たくさんの道具を使っているか
■床・壁の水平、垂直を計測したか
■床下に潜ったか ※戸建ての場合
■天井裏に登ったか ※戸建ての場合
■屋根に登ったか ※戸建ての場合
■排水マスを開けていたか ※戸建ての場合
以上の内容を比べるとこの家の調査の姿勢がわかります。
調査に来ている人の対応も注意して見ましょう。
中には社員以外の専門工事業者も来ます。
特に屋根、防水、床下の調査など。
その時の業者さんの行動も確認しておくと下請け業者に対する教育などもよくわかります。
服装、挨拶、言葉使い、清掃状況、車の駐車マナーなど
上記の調査内容など、リフォームノートにメモしておきましょう。
業者選定の資料になります。
建物調査が終わったら
調査が終われば、日を改めて調査結果の報告があります。
結果報告までドキドキしますが、劣化具合が悪くなければ、その部分の工事費を他にまわす事もできますよね。
業者さんによっては、このあとヒアリングを行う場合もあります。
建物調査は家中を見られるので、とても不安な気持ちになります。
自分がその業者のことをある程度信頼する必要があります。
業者選びは慎重に!
業者さんによって対応がかなり違うなど、比べる材料が出来るはずです。
これからは、プランなどの前向きな話になるので1番楽しいときになりますが、この建物調査報告は大切なことなので、じっくり聞いてください。
調査報告が、三者三様となった場合、どこを信じればいいのかわからなくなります。
その様なときは、リフォームノートを確認しましょう。今までの行動に信じるべきところがあると思います。
建物調査報告だけの場合と、建物調査報告と合わせてプランのプレゼンテーションまで一気にする業者さんもいます。
そこは業者さんのペースに合わせてもらって大丈夫です。
注意することは、プランが気になって建物調査の結果が薄れてしまうことです。
いちばん大切なのは中身で上辺のリフォームは長続きしません。
中身を確認して、その方向性を決めることがまず先にすることです。
こんな感じが理想と思います。
この時点で方向性を決めていきましょう。
まとめ
ついに現場調査と建物報告まで来ました。今回のポイントをまとめました。
ポイント
- 良い提案を受けるには、建物調査が重要。
- 業者のブッキングは避ける。
- すべてを見られることになる覚悟が必要。
- 準備しておくものの確認。
- 資格者の確認。
- 調査が始まったら、業者を確認するポイントをみる。
- 調査報告を聞いて、方向性を決めることが大切。
次回は、いよいよ最後になります。
第11話 契約までの流れ 『プラン・見積り提示・契約 』について説明します。
『リフォームを考えたら学べるブログ』は、
リフォームするなら絶対に失敗したくない!を念頭に考えて発信しています。
インターネットで調べても、企業宣伝や紹介サイトばかりです。
もっと中立的でユーザー目線のものがあればいいと思い、私の経験と知っていることを皆さんに情報発信しています。
リフォームについて学んでいただけるような場所を作りたくて、
『リフォームを考えたら学べるブログ』を作りました。
今後もリフォームについて発信していきます。どうぞ、よろしくおねがいします。
参考になったことなど有りましたら教えていただけると今後の励みになります。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
次は、
リフォームを考えたらシリーズ第11話
契約までの流れ④プラン・見積り提示・契約 です。
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